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5月, 2019の投稿を表示しています

股関節の包内運動と評価を行う際の診るポイント

こんにちは!  今日は股関節の包内運動と評価を行う際の診るポイントについてお話ししようと思います。  高齢者に多い骨折としては、大腿骨近位部骨折、圧迫骨折、橈骨遠位端骨折が挙げられますね。僕の病院では、特に大腿骨近位部骨折(転子部、頸部)により入院される方が多いです。そのため、作業療法士の養成校ではあまり勉強することがなかった股関節の機能解剖や運動学の勉強をする必要があると考えています。僕も、一緒に担当する理学療法士に負けないようにしっかりと勉強しているつもりです笑。  そこで、今日は股関節運動の中でも特に包内運動に着目をしてお話ししようと思います。  まず、股関節の機能分類についてですが多軸関節の一つである球関節となっています。股関節以外の球関節は、肩関節と腕橈関節が挙げられますね。上肢でいう肩関節、下肢でいう股関節は運動や機能面において共通する機能が多いといわれています。  そして、股関節を考える際には、必ず骨盤や胸腰椎のアライメントを確認する必要があります。例えば、変形性股関節症により股関節が屈曲拘縮したことから、骨盤前傾位、腰椎前弯位で代償を行う、円背により骨盤後傾位、膝関節屈曲位で代償を行う、などのようになぜ今のようなアライメントになっているのか、疼痛の要因はどこからきているのかを考えながらアプローチを考えることが大切になります。  そして、次からが今日の本題である股関節包内運動についてのお話しです。まずは、各運動と主な阻害因子をお話ししようと思います。 ○股関節包内運動について 股関節の痛みと機能障害  屈曲運動:後方への滑りの障害により制限される。  主な阻害因子:大殿筋、ハムストリングスといった伸展筋の拘縮や短縮。    伸展運動:前方への滑りの障害により制限される。  主な阻害因子:腸腰筋や大腿直筋といった屈曲筋の拘縮や短縮。         腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯の過緊張。    外転運動:下方への滑りの障害により制限される。  主な阻害因子:大内転筋や長内転筋などの内転筋群の拘縮や短縮。         腸骨大腿靭帯、恥骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯の過緊張。    内転運動:上方への滑りの障害により制限される。  主な阻害因子:中殿筋や大腿筋膜張筋などの外転筋群の拘縮や短...

自分がどんなに間違っていると思ってもそこには必ず需要が存在する

こんにちは!  今日は少しいつもとは毛色が違う内容のお話をしたいと思います。今日のタイトルに対して何の話だ?と思う方もいるかもしてませんが、リハビリテーションの仕事を行う上で僕が必要だと思う考え方のお話になります。そして、リハビリテーション以外のどんな方にも関係するようなお話になると思います。  リハビリテーションの現場では、「僕は○○といった手技を使っている」「○○手技以外ありえない」といった声を頻繁に聞くことがあると思います。いわゆる手技に傾倒しているセラピストのことですね。そして、ベテランセラピストになると、新人セラピストに対して、当たり前のように手技の指導をする方もいると思います。指導を受ける立場からすれば、「これをやればいいんだ!」といったその手技そのものを詳しく知らないにも関わらず、いつのまにかその手技がすべてだと思うようになってしまう方もいるかもしれません。  こういったことは、どこの現場でもごく当たり前のように存在します。そこには当然、エビデンスもない「感覚」で行う指導者も数多くいるのが現状です。  このような現場に対して僕はどのように考えているのかというと。何か否定的なことを言いそうな流れですが、指導者は特に問題ないと思っています。なぜなら、正論が必ずしも正しいとは限らないからです。正論はあくまでごく一般的な考え方や、その人自身のバックボーンにより成り立っているその人自身の正論であるのですから。  これは、リハビリテーション以外の場所でも同様に考えられるといえます。他者と会話をする中で、「それは違うよ」「これが正しい考え方だ」といったシチュエーションがあると思います。上下関係であれば、理不尽なことを言われて「先輩間違っているよ」と思ったことがあるかもしれません。  これらの内容は、自分の考え方が正しいと思っているから思うことで、少なからず他者を否定するということになりますね。それもそのはず、自分の考え方は自分そのものであるため、自分としては間違っていないのですから。自分にとって他者が間違っている考え方をもっていたとしても、その人にとってはその考え方が正しいのです。  そして、今日のテーマにつながっていきます。自分の考え方がどんなに正論であろうと、対峙するその人の考え方と違うのであれば、自分の考え方を押し付けるのは少し...

作業療法士って何??

こんにちは!  今日は作業療法士の仕事内容や職域について話します。医療や福祉の現場で働いている方以外は、理学療法士は知っていて作業療法士は知らないって方も多くいらっしゃると思います。作業療法士って結構マイナーな仕事なんだなって思ったりもします。  まずその作業療法を一言で説明すると「生活行為のリハビリ専門家」のことです。  これを聞いてもなんだかよくわからないって思われる方がほとんどだと思います。それもそのはずです。僕たち作業療法士の間でもどんな職業なのか人によって意見が違うのですから。  まずは法律からみる作業療法士の定義と現在の日本作業療法士協会が示す定義についてお話しします。 理学療法士及び作業療法士法  この法律で「作業療法」とは、身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行わせることをいう。 (1965年6月29日 法律第137号抜粋) そして、次が日本作業療法士協会による「作業療法」の定義です。 出典: 日本作業療法士協会における作業療法の定義改定手続きと新定義の解説  新定義は昨年完成したもので、改定までに約5年の月日が経過しています。旧定義と比べて、作業療法士の専門性が強く押し出されている印象です。また、新定義については詳しくお話ししようと思っています。  これらの定義をまとめると、その人が必要とするすべての生活行為が対象となり、その人らしい生活を獲得するために様々な作業活動を用いて治療を行うということになります。そして、僕たち作業療法士はこれらの定義をベースに日々の診療を行っているのです。  次に作業療法士の職域についてお話しします。  作業療法士の職域は、身体や精神、発達障害などの治療から老人保健施設やデイサービスなど多岐にわたっています。また、療育や地域コミュニティの促進などにも関わっており、乳幼児から高齢者まですべての方が対象となります。  職域が幅広いため、みなさんそれぞれに特化した作業療法士がほとんどだと思います。もちろん作業療法士の定義をもとにそれぞれの仕事をしているので領域は違っても、共通のテーマはたくさんあるので、別領域のスタッフとも積極的に交流を図るようにしています。  少しずつ作業療法...

「メディア」をもつということ

こんにちは!  今日はいつもと少し違い、僕が最近思っていることのお話をしたいと思っています。最近、TwitterやFacebook、InstagramなどのようなSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のようなツールを使用し、自分の近況やビジネスの発信源に使用する方が多くいらっしゃると思います。僕が子どもの頃は考えられませんでしたが、小学生や中学生でもたくさんの方がこのようなツールを使用していると思います。  そこで、今日はこのようなツール、いわゆる「メディア」をもつ、ということについて自分なりの考えをお話ししていきたいと思います。  今から20年前頃まではこの「メディア」は主に新聞やテレビが主であったと思います。しかし、今はYouTubeやabemaTVなどのようなインターネットを主戦場とする「メディア」が中心になりつつあります。もちろん、まだ新聞やテレビが「メディア」として当たり前に存在するのですが、今後はインターネットでの展開が中心になっていくだろうと考えています。僕自身、子供の頃はテレビっ子だったのですが、今ではテレビを付けることがほとんどなくなってしまいました。  例えばYouTubeでは、テレビ目線でいう「素人」の方が発信源になって様々な活動を行ってらっしゃいますね。このように、今では「素人」が発信源の「メディア」に日本全国の方がアクセスできるようになっています。僕が行っているブログもこのような「メディア」の一つです。僕は発信者としてはまだまだ未熟ものでありますが、一つの「メディア」をもっているセラピストということになります。  このように今では日本全国どこにいても「メディア」をもつことができるようになっています。一昔前では考えられないようなことですよね。僕がブログを始めた理由の一つに自分の考え方や知識の発信源がほしかったという思いがあります。  しかし、この「メディア」をもつということはたとえ視聴者や閲覧者がいなくとも、少なからず一つの責任が発生します。そして、その責任を個々人が感じることができなければ、誤った情報を発信することになりますし、ただの憂さ晴らしの場になってしまう恐れもあります。テレビを見ていて「あいつは面白くない!」「あいつをテレビに出すな!」などと負の感情をもったことがあるかもしれません。それと同じで、個々...

住宅訪問を行う際のポイントを各場所ごとに解説

こんにちは!  今日は入院されている患者様の住宅訪問を行う際のポイントを各場所ごとに解説していきます。  現在回復期病棟へ入院されている患者様の住宅訪問は、入院後1週間以内に行くことで算定をとることができるようになっていますね。僕の働いている病院は、小さな田舎町ですので、患者様のご自宅は昔ながらの土間があったり、各場所に高い段差があったりとご高齢の方が生活するには、生活しづらい環境であることが多くあります。  病院のルールだからといって住宅訪問をただこなすのではなく、必ず目的をもって行くことが大切です。僕の病院の場合、住宅訪問にも、計測を目的とする場合とご本人様と一緒に行き動線上の動きを確認する場合があります。今回は、住宅訪問の中でも計測を目的とする場合についてお話しします(以前は退院後の住宅訪問も行っていたのですがリハ部の方針から今では行かないようになってしまいました)。  まず居室やトイレなどといった各場所ごとのポイントについて解説します。 ➀駐車場付近  自宅の門前の交通状況、駐車場から玄関までの距離と整備状況、福祉用具の設置が可能かどうか(スロープ、段差昇降リフトなど) ➁玄関  上がり框の段差、段差昇降する場合の支持物の有無(手すりや靴箱など)、玄関ポーチの広さ ➂居室  ベッドの有無、トイレまでの動線の確認、フローリングor畳 ④居間  椅子、机の有無、トイレまでの動線の確認、日中主にいる場所はどこか(また、誰がどこに座っているのか) ➄トイレ  トイレの高さと広さ、手すりの有無、洗面所の高さ ⑥キッチン  コンロや流し台の高さ、使用頻度、電子レンジや冷蔵庫の場所と高さ、椅子の有無、しゃがみ動作や背伸び動作が必要かどうか ➆脱衣所、浴室  ドアの形状、浴室への段差、浴槽の広さと深さ、手すりの有無、シャワーの有無、椅子の有無、福祉用具の設置が可能かどうか(シャワーチェア、移乗台など) ➇階段(2階まで移動する必要がある場合)  段差の数、幅、高さ、使用頻度  また、仏間がある場合は床上動作が必要かどうかや椅子の有無を確認する必要があります。洗濯物動作を行う場合は、物干し竿の高さや洗濯機から物干し竿までの距離を測る必要があります。みるポイントはその方によって様々ですが、どこを測るにしても、患者様や患者様のご...

臨床実習に臨む理学療法士・作業療法士の学生のみなさんへ

こんにちは!  令和1発目の投稿ですね。僕自身何か大きく変わることはないのですが、平成生まれということもあり、これまでの歴史を振り返ったりと少し感慨深いものがあります。新元号に変わるという歴史上、ここまで祝福ムードで迎えるというのもあまりないようですので、この瞬間を生きることができていることに感謝ですね。「令和」とともにどのような人生を歩むことができるのか。自分次第でどうにでもなる人生、自分にしかできないことをやっていく、突き詰めていくことを忘れずに歩んでいきたいものです。  ということで、今日はこれから臨床実習に臨むであろうセラピスト養成校の学生に向けてお話ししたいと思っています。  いきなりですが臨床実習って緊張しますよね。「バイザーの先生は怖くないかな~?」「夜はちゃんと眠れるかな~?」などと不安がたくさんあると思います。僕も学生時代、実習前は漠然とした不安が頭から離れることがありませんでした。このように考えてしまうのも無理ないかと思います。「実習は3時間しか寝れないのが当たり前だ!」とか「ケースレポートは3人以上担当するのが当たり前だ!」なんて考えのバイザーがはびこっていた時代があったのですから。でも、今はCCS(クリニカルクラークシップ)などの考え方が浸透していることもあり、少しずつ実習生を取り巻く環境が変わってきていると思います。ただ、変わってきているからこそ、昔ながらの考え方をしているセラピストと、今の時代に合わせた考え方をしているセラピストとのギャップがより深まっているのも事実ですが。  と、前置きが長くなってしまいましたが、臨床実習に対して不安があるみなさんに対して実習を乗り切るコツを5つにまとめてお話しします。 ①遅刻をしないこと。 ➁提出物を忘れないこと。 ➂挨拶、返事等の礼節を重んじること。 ④報告・連絡・相談を徹底すること。 ➄実習中眠らないこと。  え?こんだけ?本当に?と思われた方が大半でしょう。そうです。その通りです。この5つがとても大切なことで、意外と難しいことなのです。僕もこれまで実習生をみてきて、これらのことが当たり前にできていた方は、いずれもスタッフ内評価が高かったのも事実です。「知識が少なすぎて不安」「バイザーからの質問に答えられる自信がない」なんて考えているみなさん。実習生はセラピストじ...