こんにちは! 作業療法士に必要なスキルはセンスである。 これは、以前一緒に働いていた元課長からのお言葉です。先日、別のスタッフも似たようなことを話していたので、自分が考えるセンスについてをここでお話ししようと思っています。 Sense=感覚 直訳すればこうなりますよね。感覚。日常ではファッションセンスなどのように使っていますね。僕もよく使う言葉ではあります。このセンスという言葉と作業療法ではどのような関係があるのでしょうか。 作業療法士におけるセンスについて僕なりの解釈だと、患者様に対する気づきだと考えています。例えば、家に帰ってからどのような生活を送るのだろうかと考えたときに、ご飯は誰が作るのか、電子レンジはあるのか、日中は何をするのだろうか、スーパーはどこを使用するのだろうか、そのスーパーには段差があるのか、交通状況はどうなっているのか・・・・などなど多くのことを包括的に考えなければいけません。ここで大切なことは、患者様をどれだけ心配することができるかということです。この気づきこそが作業療法士としてのセンスなのかなあと考えています。 そして、もう一つ大切なことは日々の観察力です。患者様の日常生活面(食事や入浴など)やなにげない生活の中で、座位姿勢は安定しているのか、トイレに行きたいけど言葉にできないのではないのか、など患者様の機微を感じとることが大切だと思っています。リハビリを行っているときだけ頑張ればいいというわけではないということです。 作業療法士の主となる仕事は生活行為の向上であり、この生活行為は人によって様々です。いわゆる明確な答えがないのです。そのため、患者様を担当する作業療法士によって生活プランが変わってくるのです。その生活をプランニングする大切な役割を担っているために、どれだけの気づきやアプローチができるかが大切になると考えています。 一般的にこれらの能力は経験によって磨かれていくものです。しかし、このような視点をもとうとしていなければ、磨かれるものも磨かれません。日々の意識一つの積み重ねで変わってくるのです。そしてこの気づきの積み重ねと知識、技術の向上によりセンスは構築されていくものだと考えています。 僕は作業療法士としての視点を大切にしつつも、日々の診療で避けて通れない身体機能面もきちんと評...
ステップアップリハ研究所主宰、作業療法士。臨床における知識や技術、子育てや健康に関する情報を中心に発信します。