こんにちは!
今日立ち上がり動作を獲得するための効果的なアプローチについてお話しさせていただきます。
立ち上がり動作における評価のポイントについては、以前お話した立ち上がり動作を評価するポイントとアプローチ(評価編)をご参照ください。
以前お話しした立ち上がり動作における関係式T=K-(H+A)が成立しない場合、頸部や上肢の運動による代償動作が必要になります。代償動作がみられる状態で、立ち上がり動作を続けていると、アライメントの変化や痛みの出現につながることがあります。そのため、なるべく代償動作なく動作を遂行する必要があります。
立ち上がり動作を獲得するポイントとしては、
➀筋力低下を認める筋に対してOKC(開放性運動連鎖)にてアプローチを行う。
➁立ち上がり動作を相ごとに分けアプローチを行う。
➂立ち上がり動作の練習を行う(運動学習)。
が挙げられます。僕はこの中で➀は理学療法士に行ってもらいながら、➁と➂をアプローチすることが多いです。
では、どのようなアプローチを行う必要があるのか。ここで、僕が普段行っているアプローチについて紹介したいと思います。
○第1、2相に対するアプローチ
1)バランスボール転がし
端座位にて正面からバランスボールを触り、前方へ転がしていきます。これで、骨盤の前後傾自動運動と下腿の前傾運動を促すことができます。
2)ワイピング
端座位にて前方にテーブルを設置し、ワイピングを行います。これもバランスボール転がしと同じ目的で行いますが、主にバランスボール転がしが困難な方に用いています。骨盤と下腿の前傾運動に加えて、肩甲骨の外転・上方回旋、内転・下方回旋運動を促すこともできます。
3)骨盤ハンドリング
端座位にて骨盤の前後傾運動をハンドリングにて行います。この運動のポイントとしては、自動他動運動から自動運動へ徐々に切り替えていくこと、脊柱の伸展運動を促すこと、骨盤後傾運動時にただ後傾するのではなく大殿筋の収縮を意識してもらうことが挙げられます。
○第3相に対するアプローチ
1)輪入れ
端座位にて前上方から輪を渡し腰背部の伸展を促します。この運動は第1、2相に対しても効果的なアプローチになります。この運動では、輪を把持する際に骨盤がきちんと前傾運動しているかがポイントになります。
2)抗重力筋に対する等尺性運動
第3相とその後の動作に結びつけるためのアプローチです。立位での動作を行う時は立位保持能力が必要です。すなわち、抗重力筋の等尺性運動が必要であるということです。そのため、立位保持や片脚立位といった運動を行います。
これらのアプローチの効果がみられてきたら、運動学習を目的として立ち上がり動作練習を反復して行っています(もちろん、上記アプローチと並行して行いますが、ここでの立ち上がり動作練習は運動学習という意味合いをもたせているのであえて話しています)。
作業療法士といえば生活行為に目を向けがちですが、以前からお話ししていますように動作分析や身体機能の構造を知ることも同じように大切だと思っています。僕自身まだまだ勉強中でもあり、「患者様がその生活行為を獲得するためにどうすればいいのか」といった部分についてもっと深めていきたいと考えています。
では今日はこの辺で。
今日立ち上がり動作を獲得するための効果的なアプローチについてお話しさせていただきます。
立ち上がり動作における評価のポイントについては、以前お話した立ち上がり動作を評価するポイントとアプローチ(評価編)をご参照ください。
以前お話しした立ち上がり動作における関係式T=K-(H+A)が成立しない場合、頸部や上肢の運動による代償動作が必要になります。代償動作がみられる状態で、立ち上がり動作を続けていると、アライメントの変化や痛みの出現につながることがあります。そのため、なるべく代償動作なく動作を遂行する必要があります。
立ち上がり動作を獲得するポイントとしては、
➀筋力低下を認める筋に対してOKC(開放性運動連鎖)にてアプローチを行う。
➁立ち上がり動作を相ごとに分けアプローチを行う。
➂立ち上がり動作の練習を行う(運動学習)。
が挙げられます。僕はこの中で➀は理学療法士に行ってもらいながら、➁と➂をアプローチすることが多いです。
では、どのようなアプローチを行う必要があるのか。ここで、僕が普段行っているアプローチについて紹介したいと思います。
○第1、2相に対するアプローチ
1)バランスボール転がし
端座位にて正面からバランスボールを触り、前方へ転がしていきます。これで、骨盤の前後傾自動運動と下腿の前傾運動を促すことができます。
2)ワイピング
端座位にて前方にテーブルを設置し、ワイピングを行います。これもバランスボール転がしと同じ目的で行いますが、主にバランスボール転がしが困難な方に用いています。骨盤と下腿の前傾運動に加えて、肩甲骨の外転・上方回旋、内転・下方回旋運動を促すこともできます。
3)骨盤ハンドリング
端座位にて骨盤の前後傾運動をハンドリングにて行います。この運動のポイントとしては、自動他動運動から自動運動へ徐々に切り替えていくこと、脊柱の伸展運動を促すこと、骨盤後傾運動時にただ後傾するのではなく大殿筋の収縮を意識してもらうことが挙げられます。
○第3相に対するアプローチ
1)輪入れ
端座位にて前上方から輪を渡し腰背部の伸展を促します。この運動は第1、2相に対しても効果的なアプローチになります。この運動では、輪を把持する際に骨盤がきちんと前傾運動しているかがポイントになります。
2)抗重力筋に対する等尺性運動
第3相とその後の動作に結びつけるためのアプローチです。立位での動作を行う時は立位保持能力が必要です。すなわち、抗重力筋の等尺性運動が必要であるということです。そのため、立位保持や片脚立位といった運動を行います。
これらのアプローチの効果がみられてきたら、運動学習を目的として立ち上がり動作練習を反復して行っています(もちろん、上記アプローチと並行して行いますが、ここでの立ち上がり動作練習は運動学習という意味合いをもたせているのであえて話しています)。
作業療法士といえば生活行為に目を向けがちですが、以前からお話ししていますように動作分析や身体機能の構造を知ることも同じように大切だと思っています。僕自身まだまだ勉強中でもあり、「患者様がその生活行為を獲得するためにどうすればいいのか」といった部分についてもっと深めていきたいと考えています。
では今日はこの辺で。
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