こんにちは!
今日は前回の続きということで、子どもの発達過程について、腹臥位に着目してお話をしたいと思います。前回の内容は、リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(背臥位)~を読んでいただければと思います。背臥位の発達では、手指や口を感覚器官として活用しながら、自分自身の身体の位置関係、いわゆる身体図式を覚えていきます。そして、背臥位姿勢にて手で足をつかんだり、触ったりする中で骨盤を床から持ち上げる動きや骨盤の傾斜・回線を行っていきます。背臥位で獲得するこの動きは、お座り以降の動きや活動に活用されていきます。これらのことが、背臥位の発達過程を理解する中でより重要な意義となってくると考えています。前回のお話を簡単に要約し、臨床での意義についてお話させていただきました。それでは、これからは運動の発達過程について、腹臥位の視点からお話しようと思います。本日もよろしくお願い致します。
<運動の発達過程ー腹臥位ー>
生後間もない間は、腹臥位を保持する時に重心が頭部寄りになっており、脊柱全体を丸くした姿勢になっている。
⇒全体重の中で頭部が占める割合が大きく、頭部挙上位を保持し続けることが難しいため、こういった姿勢を保持している。
~1か月:左右非対称性な姿勢を保持する(屈曲優位)
⇒頭部挙上位での保持が難しく、上肢の運動を行うことができない。
2か月~:顎部を挙上する程度の頭部挙上がみられる、下肢の屈曲位が減少する
3か月~:対称的な腹臥位を保持する、on elbowでの頭部挙上が可能になる
⇒四肢が屈曲位だけでなく、伸展位を保持することが可能になるため、重心が「頭部」から「胸腹部」へ移行する。
⇒体幹を伸展位で保持することが可能になり、on elbowで姿勢を保持することができるようになる。これがパピーポジションの始まり。
★頭部を挙上するにあたり、背臥位では5か月であるのに対し、腹臥位では3か月で可能になる。
4か月~:頭部を正中線上で90°挙上が可能になる、パピーポジションの完成
5か月~:左右非対称な姿勢が増えていく、on handsでの腹臥位保持が可能になる
この頃になると正中線上の体幹の伸展が大きくなり、on handsでの腹臥位保持が可能になる。背臥位の中で手と手を合わせたり身体中を触ったりしていた動きが腹臥位でも発揮され、左右への体重移動を行いながら、左右どちらかの手を伸展させて物を把持することができるようになる。
⇒腹臥位での伸筋群発達がほぼ完成する。
出典:体幹機能の発達 |
6か月~:体幹の伸展がより強くなりエアプレーンがみられるようになる
⇒四肢・体幹の伸展の動きが強くなることで、7か月~から腹這いや四つ這いで一側上肢を挙上することが可能になり、8か月~からずり這い、9か月~四つ這い、10か月~高這いでの移動が開始される。
⇒腹臥位姿勢の発達では、屈曲⇒伸展の学習を行っていくため、四つ這いでの移動は最初に後方への移動から学習していきます(伸展優位のため)。
★赤ちゃんは、背臥位や腹臥位姿勢の中で、物を掴むことができるようになっていきます。そして、手が届かない場所にある物に対しても、「実際に触ってみたい」「触って何か確認したい」と思うようになっていきます。これが移動の始まりになるのです。
ということで、今日は子どもの発達過程の中でも腹臥位に着目してお話させていただきました。言葉足らずな部分もあるかと思いますが、腹臥位発達の中で、どういった発達過程を辿るのか、なぜ移動することができるようになるのかを中心にお話させていただきました。次回は、「座位・立位」の視点からお話させていただきたいと考えています。
では今日はこの辺で。
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