こんにちは!
今日は末梢神経障害に必要な評価のお話をしたいと思います。前回の内容に関しましては、末梢神経障害を正しく評価するために①~末梢神経障害の基礎知識~を見ていただけたらと思います。代表的な末梢神経障害の原因となる疾患として、手根管症候群やギオン菅症候群などがありますね。今回は、これらの疾患に共通する評価について説明していきたいと思います。
まず、最初にお話しするのは「問診」についてです。「問診」は、初回介入時に行う最初の評価であり、かつ、様々な評価の中で一番重要であると考えている項目になります。この「問診」を曖昧にしていると、いくら整形外科テストやクリニカルテストを行っても、その症状が改善するのか?症状の原因は何なのか?を理解することが難しく、そもそも臨床推論(クリニカルリーズニング)になりません。まだ、経験が少ないセラピストはあまりピンとこないかもしれませんが、この「問診」こそが、今後診療を行う上でも土台になると考えています。
「問診」のポイントとしては、①いつ頃からしびれや疼痛がみられているのか?①どういった時に痛みが生じるのか?③痛みの程度はどのようなものか?といったことが基本的なことになります。また、放散痛があるか?や痛みの変化についても問診する必要があります。
僕はこれらの問診に加えて、対象者のナラティブスロープを作成したり、短期目標と長期目標を一緒に設定することを重要視しています。疾患を理解するための問診と対象者の生活を理解するための問診をミックスすることで、より包括的なアプローチにつながってくると考えています。
次に感覚テストとして「S-WTest(Semmes-Weinstein Monofilaments)」を行うことが重要になります。脳卒中の方には、筆やピンなどを用いた簡便な感覚テストをすることでおおまかな感覚障害の病態について理解することができるのですが、末梢神経障害であれば、神経分枝のどの部分の障害なのかを理解する必要があるため、髄節のレベルや障害を受けているであろう部位を正確に把握することが重要になります。そのため、「S-WTest」を行い、障害の程度をマッピングする必要があるのです。
障害部位の認識を行う上で必要になる評価は、「TinelSign」をよく用いています。「TinelSign」は神経が再生しているのかを確認すること、経時的に評価し前回評価時と比べてどこまで再生しているのかを確認できる評価になります。神経が再生する過程で、軸索に遅れて髄鞘が再生しているため、髄鞘がない部分を刺激すると放散痛を感じるため、「TinelSign」を見ながら回復過程を把握することができます。
今回は末梢神経障害に共通する評価ということで、「問診」「S-WTest」「TinelSign」についてお話させていただきました。次回からは、各末梢神経障害に対してそれぞれの評価法や病態理解についてお話したいと考えていますのでどうぞよろしくお願い致します。
では今日はこの辺で。
コメント
コメントを投稿