こんにちは!
今日は大腿骨頸部骨折に関するお話の第2回になります。第1回は大腿骨頸部骨折の基礎知識➀~分類・手術編~をご参照ください。第2回では、大腿骨頸部骨折により入院されている方に対してどのようにリハビリテーション進めていくかのお話になります。
以前お話したように大腿骨頸部骨折は高齢者の4大骨折の一つと呼ばれるくらい頻度の高い骨折になります。そのため、老化による廃用症候群や短期間の安静臥床による廃用が進行しやすいケースが多いです。そのため、骨折側の下肢のトレーニングだけでなく、四肢・体幹を含めたトレーニングを評価を元に進めていく必要があります。まずは術式別のリハビリテーションの考え方についてお話します。
○骨接合術後のリハビリテーションプログラム
骨接合術は以前お話したように主にCCS法とハンソンピンによる手術に大別されます。これらの内固定材料の違いによる術後成績は明らかな差はないとされています。手術方法に加えて、骨折部の安定性を注意深く観察・評価することが大切です。
骨折部が安定している場合・・・
術後早期(1日目~):疼痛自制内での患側股関節自動介助運動の開始
上肢・体幹・健側下肢(股関節以外)の廃用予防
DVT予防(弾性ストッキングの使用、足関節底背屈運動)
術後早期(2日目~):車椅子座位開始
座位保持練習開始(端座位、長座位)
座位でのADL動作獲得(主に食事、整容、更衣)
術後早期(4日目~):患側下肢への部分荷重開始
平行棒内起立・歩行練習開始(患側への荷重を促す)
亜急性期(1週間~):全加重開始
歩行器歩行→T-cane歩行→独歩へ
立位でのADL動作獲得(排泄、更衣、入浴)
応用動作練習開始(階段、床上動作)
回復期(6週間~):IADL動作獲得
セルフエクササイズ指導
骨折部が安定していない場合・・・
術後早期(1日目~):患側下肢完全免荷
上肢・体幹・健側下肢(股関節以外)の廃用予防
DVT予防
患側股関節ROM練習はDr指示を確認しながら行う
術後早期(2日目~):車椅子座位開始(患側に荷重がかからないように注意)
座位保持練習開始(端座位)
座位でのADL動作獲得
術後早期(4日目~):患側下肢免荷(toe touth程度)での平行棒内起立・歩行開始
回復期(2週間~):患側荷重開始(Dr指示にて)
疼痛自制内での部分荷重開始
部分荷重→全加重へ
平行棒内歩行→T-cane歩行→独歩へ
立位でのADL動作獲得
応用動作練習開始
回復期(8週間~):IADL動作獲得
セルフエクササイズ指導
○人工骨頭置換術後のリハビリテーションプログラム
後方アプローチであれば後方脱臼、前方アプローチであれば前方脱臼に留意してアプローチを行う。手術を行い1か月までが脱臼リスクが高いと言われているため、急性期の診療や生活指導は徹底して行う必要がある。また、術後早期の生活指導により習慣化することが大切になってくる。
術後早期(1日目~):疼痛自制内での患側股関節自動介助運動の開始
上肢・体幹・健側下肢(股関節以外)の廃用予防
DVT予防(弾性ストッキングの使用、足関節底背屈運動)
術後早期(2日目~):生活指導(基本的動作)
車椅子座位開始
座位保持練習開始(端座位、長座位)
疼痛自制内であれば患側下肢への全加重開始
座位でのADL動作獲得
術後早期(4日目~):平行棒内起立・歩行練習開始(患側への荷重を促す)
亜急性期(1週間~):歩行器歩行→T-cane歩行→独歩へ
立位でのADL動作獲得(禁忌肢位指導含む)
応用動作練習開始(階段、床上動作)
回復期(6週間~):IADL動作獲得(禁忌肢位指導含む)
セルフエクササイズ指導
免荷を必要とする場合、必ずDrと相談しながらリハビリテーションを進めていく必要があります。「痛みがないから大丈夫であろう。」でリハビリテーションを進めないように注意しましょう。
どの疾患でもいえることではありますが、必ず理学療法士と協働してアプローチ・支援を進めていくように心掛けています。でなければ、理学療法士と違う生活指導を行っていたり、なんとなく筋力増強運動を行ってしまう危険性があるからです。痛みの要因は何なのか、なぜADL動作ができないのか必ず理学療法士と話し合いながら診療を進めていくと、より良いアプローチを行うことができると思います。
今日は大腿骨頸部骨折のリハビリテーションのお話をさせていただきました。次回は作業療法士として本領を発揮するであろう生活指導についてお話したいと思っています。
では今日はこの辺で。
今日は大腿骨頸部骨折に関するお話の第2回になります。第1回は大腿骨頸部骨折の基礎知識➀~分類・手術編~をご参照ください。第2回では、大腿骨頸部骨折により入院されている方に対してどのようにリハビリテーション進めていくかのお話になります。
以前お話したように大腿骨頸部骨折は高齢者の4大骨折の一つと呼ばれるくらい頻度の高い骨折になります。そのため、老化による廃用症候群や短期間の安静臥床による廃用が進行しやすいケースが多いです。そのため、骨折側の下肢のトレーニングだけでなく、四肢・体幹を含めたトレーニングを評価を元に進めていく必要があります。まずは術式別のリハビリテーションの考え方についてお話します。
○骨接合術後のリハビリテーションプログラム
骨接合術は以前お話したように主にCCS法とハンソンピンによる手術に大別されます。これらの内固定材料の違いによる術後成績は明らかな差はないとされています。手術方法に加えて、骨折部の安定性を注意深く観察・評価することが大切です。
骨折部が安定している場合・・・
術後早期(1日目~):疼痛自制内での患側股関節自動介助運動の開始
上肢・体幹・健側下肢(股関節以外)の廃用予防
DVT予防(弾性ストッキングの使用、足関節底背屈運動)
術後早期(2日目~):車椅子座位開始
座位保持練習開始(端座位、長座位)
座位でのADL動作獲得(主に食事、整容、更衣)
術後早期(4日目~):患側下肢への部分荷重開始
平行棒内起立・歩行練習開始(患側への荷重を促す)
亜急性期(1週間~):全加重開始
歩行器歩行→T-cane歩行→独歩へ
立位でのADL動作獲得(排泄、更衣、入浴)
応用動作練習開始(階段、床上動作)
回復期(6週間~):IADL動作獲得
セルフエクササイズ指導
骨折部が安定していない場合・・・
術後早期(1日目~):患側下肢完全免荷
上肢・体幹・健側下肢(股関節以外)の廃用予防
DVT予防
患側股関節ROM練習はDr指示を確認しながら行う
術後早期(2日目~):車椅子座位開始(患側に荷重がかからないように注意)
座位保持練習開始(端座位)
座位でのADL動作獲得
術後早期(4日目~):患側下肢免荷(toe touth程度)での平行棒内起立・歩行開始
回復期(2週間~):患側荷重開始(Dr指示にて)
疼痛自制内での部分荷重開始
部分荷重→全加重へ
平行棒内歩行→T-cane歩行→独歩へ
立位でのADL動作獲得
応用動作練習開始
回復期(8週間~):IADL動作獲得
セルフエクササイズ指導
○人工骨頭置換術後のリハビリテーションプログラム
後方アプローチであれば後方脱臼、前方アプローチであれば前方脱臼に留意してアプローチを行う。手術を行い1か月までが脱臼リスクが高いと言われているため、急性期の診療や生活指導は徹底して行う必要がある。また、術後早期の生活指導により習慣化することが大切になってくる。
術後早期(1日目~):疼痛自制内での患側股関節自動介助運動の開始
上肢・体幹・健側下肢(股関節以外)の廃用予防
DVT予防(弾性ストッキングの使用、足関節底背屈運動)
術後早期(2日目~):生活指導(基本的動作)
車椅子座位開始
座位保持練習開始(端座位、長座位)
疼痛自制内であれば患側下肢への全加重開始
座位でのADL動作獲得
術後早期(4日目~):平行棒内起立・歩行練習開始(患側への荷重を促す)
亜急性期(1週間~):歩行器歩行→T-cane歩行→独歩へ
立位でのADL動作獲得(禁忌肢位指導含む)
応用動作練習開始(階段、床上動作)
回復期(6週間~):IADL動作獲得(禁忌肢位指導含む)
セルフエクササイズ指導
免荷を必要とする場合、必ずDrと相談しながらリハビリテーションを進めていく必要があります。「痛みがないから大丈夫であろう。」でリハビリテーションを進めないように注意しましょう。
どの疾患でもいえることではありますが、必ず理学療法士と協働してアプローチ・支援を進めていくように心掛けています。でなければ、理学療法士と違う生活指導を行っていたり、なんとなく筋力増強運動を行ってしまう危険性があるからです。痛みの要因は何なのか、なぜADL動作ができないのか必ず理学療法士と話し合いながら診療を進めていくと、より良いアプローチを行うことができると思います。
今日は大腿骨頸部骨折のリハビリテーションのお話をさせていただきました。次回は作業療法士として本領を発揮するであろう生活指導についてお話したいと思っています。
では今日はこの辺で。
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