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6月, 2019の投稿を表示しています

CKCとOKCにおいて知っておくべき基礎知識と臨床応用①~CKC・OKCとは~

こんにちは!  いきなりですが皆さん!「運動連鎖」という言葉をご存知ですか?理学療法士の皆さんはもちろんご存知と思いますが、作業療法士の皆さんは聞いたことがないという方、聞きなれない言葉に感じる方が多いのではないでしょうか。 それもそのはず、作業療法士の養成校では習わない学校がほとんどだからです。 この「運動連鎖」という言葉は運動療法を行う上で基礎となる概念の一つです。 しかし、病院で働く以上、運動療法は切っても切れないものですよね。 そこで、今回は主に作業療法士の方に向けて「運動連鎖」のお話をしていこうと考えています。 「運動連鎖」を臨床でよく使う分類として主に2つに分けられます。 CKC(Closed Kinetic Chain):末端である足部や手が外部抵抗(床やテーブル)と接している状態。 OKC(Open Kinetic Chain):末端である足部や手が自由な状態。 出典: 運動連鎖とエビデンス  理学療法士の皆さんが「CKC」や「OKC」と言っているのを聞いたことがあるかもしれませんね。作業療法士では、上肢の運動はほとんどOKCであるため、習うことが少ないと聞いたことがあります。しかし、上肢の運動でも「OKC」を用いた方が効果的な運動療法を行うことができるなどといった文献もあり、これら2つを使いこなすことができると臨床での診療の幅が広がると考えています。  もともとの概念はACL損傷者への負荷について用いられていたようです。しかし、時代とともに概念も変化をしていき、今ではごく当たり前のように用いられるようになっています。  「CKC」と「OKC」どちらが重要なのか。なんて話をする療法士の方もいますが、どちらもいいところがあり使いこなすことが重要です。ただ、実際私の診療ではロコモティブシンドローム等を併存している高齢者が多いために「CKC」を中心に運動療法を展開していることが多いです。  今回は概念部分のお話しが中心となってしまいましたが、次回はどのように臨床に応用していくかをお話ししていこうと思います。  では今日はこの辺で。

等尺性収縮と遠心性収縮

こんにちは!  今日は筋力増強運動を行う上で必要な知識の一つである等尺性収縮と等張性収縮についてのお話をしたいと思います。等尺性、等張性という言葉は学生の頃から運動学の基礎として習っていると思います。臨床で他のセラピストと話している中で、「学校で習ったことなんてほとんど臨床で使わないよ。」といった話を聞くことが多くあり、僕自身はそんなことは絶対にないと思っています。そこで、今日はこの知識を臨床でどのように生かしていけばよいのかをお話しできればと思います。  この等尺性~、等張性~という言葉は運動形態の一つになります。他にも、遠心性~や求心性~といった言葉がありますね。  これらの運動形態で発揮される筋力は遠心性収縮が一番強く、次に等尺性収縮、求心性収縮の順になります。下記にそれぞれの運動形態の用語の簡単に説明します。 ・等尺性収縮:関節運動を伴わずその位置で静止する場合の収縮様式 ・等張性収縮:関節運動を伴い位置が変動する場合の収縮様式   遠心性収縮;収縮と関節運動が逆   求心性収縮;収縮と関節運動が同じ  等尺性収縮は主に抗重力筋でより必要な運動形態になります。例えば、体幹周囲の筋である脊柱起立筋群や腹筋群(側腹筋含む)、下肢の筋である大腿四頭筋や下腿三頭筋が挙げられますね。これらは、日常生活の姿勢を保持するために大切な筋群であり、様々な動作を行うための基盤になる筋肉たちです。そして、座位や立位を行っている間はいつも等尺性収縮を行うことで姿勢を保つことができています。そのため、これらの筋肉のトレーニングを行う手段としては、等尺性収縮による筋力増強運動を中心に展開することが望ましいと考えられます(もちろん等張性収縮でも筋力増強運動を行いますが)。  レッグプレスやレッグエクステンション等と筋力増強運動といえば、等張性収縮が代表的でありますが、抗重力筋では必ず等尺性収縮による運動が必要になるため、例えばスクワットの途中で姿勢を保持する運動であったり、カーフレイズで踵部を挙げた姿勢を保持する運動等を行うとより効果的に筋力の向上を図ることができるといえます。そのため、これらの運動形態を考え、組み合わせるということを考えると良いかもしれません。 では今日はこの辺で。

筋力増強運動を行う上での基礎知識

こんにちは!  今日は筋力増強運動を行う上での基礎知識についてお話をしたいと思います。ブログの投稿内容として、運動療法の話が多いなぁと思っていますが、僕が好きな分野は神経科学分野なんですよね。なのでこれからは脳のお話も展開できたらなと思っています。ただ、まだまだ運動療法に関わるお話で話したい内容があるため、しばらくできないかもしれません笑。  筋力増強運動を行う上で基礎中の基礎のお話を行います。これも、同じ職場や付き合いのある作業療法士と話している中で、運動療法における負荷量や回数の設定方法がわからない、といったお話を聞くことが多いため、一度ブログで紹介しようと思ったのがきっかけです。理学療法士の方は当たり前の知識だと思うので、あまり参考にならないかもしれません。  まずは筋力増強運動を行うのは筋力低下を認めるからですよね(当たり前ですが笑)。その筋力低下の要因は大まかに2つに分けられます。 ①筋性要因  長期臥床や不使用により、筋そのものに委縮が生じることで筋の横断面積が減少することによる筋力低下 ➁神経性要因  疼痛や廃用により、神経活動が低下し運動単位数の減少や発火速度が低下することによる筋力低下。  これらの要因により筋力低下が起こるため、セルフケアや歩行において、いままでできていたことができなくなります。筋力低下といえば、筋性要因に目がいきがちですが、神経性の要因もあることを加味する必要があることが大切になります。  次に筋力増強運動における負荷と回数を設定する上でのポイントをお話しします。  筋力増強運動を行う上でまず必要なことが基準値の設定です。この基準値は1RM(1回反復可能な最大負荷)を用いることが基本になります。作業療法士のみなさんは、学校で習わないことがほとんどですので、あまりなじみのない言葉かもしれませんね。この1RMの計測は、高齢者の方ではリスクが大きいため、○kgを○回まで実施できたということで、推定することがほとんどです。 下記にざっとまとめてみましたので参考にしてください。 <最大反復回数→1RMに対する割合(%)>    1   →   100    2   →    95    5   →    87   10   →    75   12   →    67   15   ...

作業療法士を続ける以上自己研鑽を怠るべからず

こんにちは!  6月に入りましたね。ブログを始めて3か月が過ぎたところです。更新頻度は大体月に5本前後となっていますね。執筆側としては、やや少なく感じますが、始めたときに週に1本くらい更新できればいいかな~と考えていたのでこんなもんかなと思っています。あと、振り返ったときに「なんか堅苦しい言葉が多いな~」と思ったりしたので、少し僕という人間が伝わるような書き方ができればなと思ったりしています。そういう意味も込めて、僕という人間がどんな人間かお話ししていなかったので、今日はテーマの内容の前に少し自己紹介をしたいと思います。  まず普段は仕事で何をしているかといいますと、回復期病棟と小児外来に所属しており作業療法を行っています。割合としては、成人7割、小児3割といったところですかね。小児の方はまだ担当をもって1年半くらいで、まだまだ新人みたいなものです。    そして、仕事以外の時間何をしているかといいますと、家の中で作業をしていることが多いです。外に出て何かするということは、サッカーとジムでの筋トレをそれぞれ週に1~2回しているくらいで、そんなにアクティブな方ではないです。元々はお酒を飲みに行くのが好きで、毎週末は飲みに出かけていたんですけど、最近は月に1~2回くらいしか行かなくなってしまいました。作業といっても、仕事に関連する本を読んだり、とりためている論文を読んだり、ブログを書いたりといったことが多いです。最近は海外の論文を探すことにハマっています。勉強ばっかりしていると思う方もいるかもしれませんが、あまり趣味といったものがなく、することがないのでこういった生活になっていると思っています。  あまり自己紹介っぽい内容ではないですけど、こんな感じの生活を送りながら時を過ごしています。そんな生活していて何が楽しいの?と思う方もいるかもしれませんが、充実感でいえば、飲みにばっかり行っていたときより、何倍も満たされている気がしています。  自己紹介はこの辺にしてそろそろテーマに入っていこうと思います。  今日のテーマは「作業療法士を続ける以上自己研鑽を怠るべからず」です。意味は言葉の通りです笑。僕はまだ作業療法士という仕事を始めて若手という部類に入ると思っています。なので勉強をするのは当たり前だと思っています。しかし、どれだけベテランになっても勉強...