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8月, 2020の投稿を表示しています

リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(座位・立位)~

こんにちは!  今日も前回の続きということで、子どもの発達過程について、座位・立位に着目してお話をしたいと思います。前回の内容は、 リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(背臥位)~ 、 リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(腹臥位)~ を読んでいただければと思います。腹臥位の発達では、背臥位と比べて私たちが見ている世界を見ることができるようになります。発達の中で、左右への重心移動ができるようになり、手を伸ばして物を掴むことが可能になります。そして、手が届かない物に対しても、触って確認しようとするのです。これが「移動」の始まりになります。このように、腹臥位の発達は、四つ這い、立位、そして歩行へとつながっていくのです。前回のお話を簡単に要約し、臨床での意義についてお話させていただきました。それでは、これからは運動の発達過程についての最後のテーマである「座位・立位」の視点からお話しようと思います。本日もよろしくお願い致します。 <運動の発達過程ー座位・立位ー> 生後間もない間は、初期起立反応により支えられながらの立位保持が可能になる。そして、徐々に初期起立反応が消失し、起立不能の段階が開始される。 ~1か月 座位:伸筋群の発達が不十分であるため、体幹が屈曲し顔が床に接触する 3か月~ 座位:定頸獲得時期 立位:ハイガード姿勢(支えられて) ⇒この時の立位保持では、抗重力姿勢の保持が乏しく反張膝になりやすい。 4か月~ 座位:リング座位獲得(不安定さあるため介助必要) 立位:徐々にローガードへ(支えられて) ⇒定頸に従い立位姿勢がハイガードからローガードへ移行する。 6か月~ 座位:リング座位の完成(上肢の支持あり) ⇒立ち直り反応の出現により、リング座位で側方への重心移動が可能になる。 ⇒リング座位にて、頸部ー体幹を正中位で保持することが可能になる。 立位:両手支持での立位保持が可能 7か月~ 座位:リング座位で前方へリーチが可能、物につかまっての両膝立ち獲得 ⇒座位姿勢において、頸部・体幹を回旋することが可能になるため、前方へリーチすることが可能になる。 立位:支えられながらの鶏状歩行が可能 8か月~ 座位:上肢の支持なしでの座位獲得、長座位保持獲得 立位:物につかまって片膝立ち...

リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(腹臥位)~

こんにちは!  今日は前回の続きということで、子どもの発達過程について、腹臥位に着目してお話をしたいと思います。前回の内容は、 リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(背臥位)~ を読んでいただければと思います。背臥位の発達では、手指や口を感覚器官として活用しながら、自分自身の身体の位置関係、いわゆる身体図式を覚えていきます。そして、背臥位姿勢にて手で足をつかんだり、触ったりする中で骨盤を床から持ち上げる動きや骨盤の傾斜・回線を行っていきます。背臥位で獲得するこの動きは、お座り以降の動きや活動に活用されていきます。これらのことが、背臥位の発達過程を理解する中でより重要な意義となってくると考えています。前回のお話を簡単に要約し、臨床での意義についてお話させていただきました。それでは、これからは運動の発達過程について、腹臥位の視点からお話しようと思います。本日もよろしくお願い致します。 <運動の発達過程ー腹臥位ー> 生後間もない間は、腹臥位を保持する時に重心が頭部寄りになっており、脊柱全体を丸くした姿勢になっている。 ⇒全体重の中で頭部が占める割合が大きく、頭部挙上位を保持し続けることが難しいため、こういった姿勢を保持している。 ~1か月:左右非対称性な姿勢を保持する(屈曲優位) ⇒頭部挙上位での保持が難しく、上肢の運動を行うことができない。 2か月~:顎部を挙上する程度の頭部挙上がみられる、下肢の屈曲位が減少する 3か月~:対称的な腹臥位を保持する、on elbowでの頭部挙上が可能になる ⇒四肢が屈曲位だけでなく、伸展位を保持することが可能になるため、重心が「頭部」から「胸腹部」へ移行する。 ⇒体幹を伸展位で保持することが可能になり、on elbowで姿勢を保持することができるようになる。これがパピーポジションの始まり。 ★頭部を挙上するにあたり、背臥位では5か月であるのに対し、腹臥位では3か月で可能になる。 4か月~:頭部を正中線上で90°挙上が可能になる、パピーポジションの完成 5か月~:左右非対称な姿勢が増えていく、on handsでの腹臥位保持が可能になる この頃になると正中線上の体幹の伸展が大きくなり、on handsでの腹臥位保持が可能になる。背臥位の中で手と手を合わせたり身体中を触ったりしていた動きが腹臥位で...

リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(背臥位)~

こんにちは!  今日は発達作業療法士として必要な子どもの発達過程についてのお話をしたいと思います。①運動②言語③巧緻機能④認知⑤口腔機能それぞれに分けてお話したいと思っていますのでかなりの長編になるかと思います。この発達過程に関して、正常発達という言葉もございますが、何をもって正常なのか?人それぞれ育ち方も生き方も違うのではないか?という考えがありますので、ここでは発達過程という言葉でお話したいと思います。ここでお話する内容は、なぜそのような発達過程をたどるのかを脳のメカニズムやその過程を辿る要因を基に展開したいと思っています。ですので、必ずしもその過程が正しいというわけではないということを頭の片隅に入れていただければと思っています。また、成人を対象に作業療法を実施している方にとっても、発達過程は共通する面や治療のヒントになる面もあるため、是非一読していただければと思います。それではよろしくお願い致します。 <運動の発達過程ー背臥位ー> 出典: 体幹機能の発達 生後間もない間は、背臥位を保持する時に頭部を正中位で保持することは難しい。そのため、結果的に頭部は右か左側を向いていることが多い。頭部が向いている側の上肢は伸展しやすく、反対側の上肢は屈曲する傾向にある。 ⇒一般的にはATNR(非対称性緊張性頚反射)と呼びますが、反射というわけではなくそういった現象が起きやすいといった方が正しいと思います。 ~1か月:左右非対称性な姿勢を保持する(屈曲優位) ⇒胎内で生活を育むことで屈筋優位の姿勢になりやすい。低出生体重児であれば、体内での学習期間が短いため伸展優位の姿勢になりやすい。 2か月~:上下肢の屈筋優位が軽減する、対称的な活動が増えていく 3か月~:頸部が正中位へ定位するようになり対称的な背臥位を保持する、Hand to hand 赤ちゃんは頭部を正中位で保持することが可能になり、両手を握り合わせたり口に持っていくことが可能になる。 ⇒身体の中心に上肢や手指を持ってくることで、身体の端と中心軸を理解し始め、対称的な背臥位保持を保持することができるようになる。 4か月~:四肢の対照的な運動が増えていく、Hand to nee 両手を握り合わせたり口に持っていくことが可能になる時期では、肘関節は屈曲していたが、徐々に伸展することが可能になり、両下肢の挙上が可能になること...