こんにちは。
今日は前回の続きということで、失語症を理解するために②~失語症タイプの分類~についてお話させていただきたいと思います。前回の内容は を読まれてみてください。前回は、言語の処理過程と処理過程に関連する領域や症状の分類についてお話させていただきました。そこで、今回は失語症タイプの分類を、症状と関連させてお話していきます。
<失語症タイプの分類>
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出典:失語のみかた:よりよい治療・リハビリテーションのために |
語のシステム:失構音、音韻性錯語、語音弁別障害
音のシステム:単語理解障害、喚語障害
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出典:失語のみかた:よりよい治療・リハビリテーションのために |
【伝導失語】
症状:音韻性錯語(失構音のない)
容認項目:語音弁別障害
【ウェルニッケ失語】
症状:単語理解障害、喚語障害、音韻性錯語
容認項目:語音弁別障害
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【ブローカ失語】アナルトリー、喚語障害、失構音
【純粋語唖】
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出典:失語のみかた:よりよい治療・リハビリテーションのために |
【超皮質性運動失語】
領域:補足運動野、左下~中前頭回(前頭葉背外側領域)
症状:喚語障害
容認項目:失構音、音韻性錯語、単語理解障害、語音弁別障害
★超皮質性運動失語には大まかに2つのタイプがあり、①ブローカ失語からの部分回復タイプ②構音開始時の困難さを示すタイプに分けられる。
復唱が良好で、自発話が減少(超皮質性感覚失語では見られない場合が多い)する場合、超皮質性運動失語と呼ばれることが多い。
【超皮質性感覚失語】
症状:単語理解障害、喚語障害
容認項目:語音弁別障害
【健忘失語】
領域:下前頭回、側頭~後頭葉、角回
症状:喚語障害
【ブローカ領域失語】
領域:ブローカ野(ブローカ野=文理解)
症状:喚語困難+文理解障害
ということで、今回は失語症の分類についてお話させていただきました。明確な基準がない場合が多いため、病巣を基にどのような症状が出現するのかを推測することがより重要で、無理やりタイプに当てはめようとするとうまくいかない場合があります。失語症のタイプはあくまで参考までにしていただき、どのような症状が出現しているのかを意識して、臨床での評価・治療に取り組んでいただければと思います。
では今日はこの辺で。
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