スキップしてメイン コンテンツに移動

立位アライメントを評価する上でのポイント①~正常な姿勢アライメントから考える~

こんにちは!

 今日は立位アライメントを評価する上でのポイントについてお話したいと思います。整形疾患の方でも、中枢神経系の疾患の方でもこういった立位アライメントの評価に関しては共通する部分が多いと思います。評価をする上で大切なこととして、まずは正常な姿勢アライメントを理解することが重要です。セラピストとして、正常なアライメントからどこの部分にずれが生じているのかを把握し、基礎疾患や生活パターン等から調整する部分をピックアップすること、その後治療を行っていくといったことが必要になります。今回のお話は2回に分けようと思いますので、お時間のある方はお付き合いよろしくお願いします。

<立位姿勢における評価のポイント>

出典:姿勢の評価と治療アプローチ

【前額面(前方)】
①頭部:側屈/回旋の非対称性
②鎖骨:挙上/回旋の左右差
⇒鎖骨は肩関節運動と連動して働くため、肩甲骨との位置関係を評価することも大切になります。
③肩峰:挙上/下制の左右差
④肩甲骨:挙上/下制・前後傾の程度
⑤胸郭:挙上/回旋の左右差
⑥上肢:肩関節内外旋/内外転/屈伸の程度
⑦骨盤:回旋/傾斜の左右差
⇒骨盤前後傾中間位:ASISよりPSISが2~3横指上方
⇒Jacoby line:L4~L5の腰椎棘突起の間
⑧股関節:骨盤に対する内外旋/内外転/屈伸の程度
⑨膝関節:大腿・下腿のねじれ、屈伸の程度
⑩下腿:足部に対する下腿の内外旋の程度
⑪足関節・足部:踵骨接地の位置、内外果の高さ

【前額面(後方)】
①肩甲骨:挙上下制、内外転、内外旋の程度
⇒肩甲骨のランドマーク:上角;Th1~2 肩甲棘;Th7~8 内側縁~棘突起の距離;
7~8cm
②脊柱:屈曲/伸展、回旋、側屈の程度
⇒上部胸椎:回旋優位 下部胸椎:屈伸優位
③臀部:筋緊張(過緊張or低緊張)の程度


【矢状面】
重心線:耳垂ー肩峰の前方ー大腿骨大転子ー膝蓋骨後面ー外果の2~3cm前方
①頭部:屈曲/伸展の程度
②頸椎:胸椎に対する頸椎の屈曲/伸展の程度
⇒頭部の位置が重心線の中でどこに位置するかが重要です。
③肩関節:肩甲骨に対する上腕骨の内外旋の程度
④胸腰椎:下部胸椎・腰椎の屈曲/伸展の程度
⑤胸郭:挙上/回旋の左右差・程度
⑥上肢:肩関節内外旋/内外転/屈伸の程度
⑦腰椎/骨盤間:骨盤に対する腰椎の屈曲/伸展の程度
⑧骨盤:腰椎に対する骨盤の前後傾、回旋/傾斜の程度
⑨股関節:骨盤に対する屈伸/内外旋/内外転の程度
⑩膝関節:屈伸、股/足関節との重心線の関係
⑪足関節:下腿に対する底背屈の程度
⑫足部:足趾屈伸、アーチ形成の程度

 以上が簡単にはなりますが、一口メモを添えて立位アライメントを評価する上でのポイントになります。最初の方でもお話ししましたが、まずは正常な重心線を知り、対象者の方のアライメントに当てはめることが大切です。
 最後に実際に実施する上でのポイントとして、「骨盤」や「脊柱」といった一部分だけを見るのではなく、全体を包括的に見ることが重要だと考えています。また、肩甲帯ー体幹ー下肢の部分だけでなく、上肢の位置の評価を行うことも非常に重要になります。そのためにも、まずは対象者の姿勢の写真を撮り、診療後に改めて評価をすることで、姿勢評価の習慣化やアライメントを評価する技術の習得につながってくると思っています。「めんどくさいからいいや。」となりがちですが、こういった細かいことを反復することが、専門職としてのあり方だと考えています。次回は、Kendallの分類を基に、どういった姿勢パターンがあるのか、その姿勢の特徴は何なのかについてを中心にお話ししたいと思います。

では今日はこの辺で。

コメント

このブログの人気の投稿

作業療法士に必要なPreADLの捉え方とみる視点

こんにちは!  今日は主に病院で勤務されている作業療法士の方へ向けて、PreADLの捉え方とみる視点についてのお話をしようと思います。このお話は、理学療法士や言語聴覚士の方も大切な内容だと思っています。  僕たち作業療法士は患者様のやりたいことを大切にしながら日々の診療を行っていると思います。いわゆるdemandの面に着目するということですね。しかし、この視点だけでなく、患者様に本当に必要な能力、すなわちNeedにも焦点をおく必要があります。患者様によっては、むしろこのNeedを重要視する場合もあります。  このNeedに焦点をおくということは、患者様の現在の能力だけでなく入院前にどのような生活を送っていたのかを知ることがとても重要になります。この入院前の生活のことを僕の職場ではPreADLと呼んでいます。  例えば入院前はどのような歩行形態であったのか(T-caneなど)、入浴はどこで行っていたのか(デイサービスなのか自宅なのか)、食事は誰が作っていたのかなど、患者様がどのような生活を送っていたのかを詳細に調査する必要があります。    そして、そこで大切になってくることが入院前の生活を知るだけでなく、なぜそのような生活を送っていたのかを考えることが大切になります。  T-cane歩行の方では、なぜT-caneが必要であったのか、デイサービスにて入浴を行っている方では、なぜ自宅での入浴ではないのかなど、本来行えているはずの生活に補助具やサービスを用いている要因は何なのかを考えなければなりません。そして、入院前の生活状況と生活を妨げている要因を踏まえた上で、現在の状況から目標を設定することが大切になってきます。  作業療法士は患者様が必要としている生活行為を考えながら、その人らしい生活をサポートすることが大切です。しかし、その人がどのような生活を送ってきたのか、その人が満足いく生活であったのかといった面を考える視点をもつことで、より生活というものを包括的に捉えることができるようになると考えています。これまで、このような視点についてあまり考えたことがなかった方は、今日お話した視点をプラスすることで生活というものをより幅広く捉えることができるようになるのではないかと思っています。  今日はPreADLの捉え方とみる視点についてお話しました。...

CKCとOKCにおいて知っておくべき基礎知識と臨床応用➁~実践編~

こんにちは!  今日は前回の続きとして「運動連鎖」の考え方をどのように臨床に生かしたらいいかのお話をしたいと考えています。  前回お話しした運動連鎖の概念については、 CKCとOKCにおいて知っておくべき基礎知識と臨床応用①~CKC・OKCとは~ をご参照ください。  まずは簡単にCKCトレーニングとOKCトレーニングの種類についてご紹介します。 ・CKCトレーニング:スクワット、レッグプレス、ブリッジング、片脚立位保持、タンデム立位保持など ・OKCトレーニング:レッグエクステンション、ヒップアブダクション、SLRなど  前回もお話ししましたが、CKCトレーニングは主に下肢のトレーニングで用いられます。なぜなら、上肢の運動を必要とする食事や更衣などの生活行為の大半がOKCの動き方をするためです。しかし、上肢でもトレーニングの一つとしてCKCトレーニングを行うことは、非常に効果的であると考えています。例えば、前鋸筋や僧帽筋の安定性を高めるのに効果的なローローや広背筋の筋力を高めるために効果的なプッシュアップがあります。また、手掌を壁につけた状態で肩甲骨を挙上・下制・内転・外転するような運動では、ローテーターカフの負荷を抑えた状態で肩甲帯周囲の安定化を図ることができます。高齢者の方では、ローテーターカフに微細な損傷がある方や前鋸筋が弱っている方も多く、CKCトレーニングの方がよりリスクを抑えたトレーニングになると考えることもできますね。  これらのことから作業療法士としても知っておいて損ではない知識だと思います。そもそも損する知識などはないんですけどね笑。 次にCKCトレーニングとOKCトレーニングの各メリットについてご紹介します。 ○CKCトレーニングのメリット ①複合的な筋に対してトレーニングを行うことができる。 ➁筋力トレーニングだけではなく、一つの動作として運動を行うことができる(運動学習に汎化することができる)。 ○OKCトレーニングのメリット ①個別筋に対してアプローチしやすい。 ➁シンプルに筋力向上を効率よく高めることができる。  OKCトレーニングによって、個別筋として筋力を高めることができていても、実際の動作になると発揮することが難しい方も多く見受けられます。そのため、個別筋としてのトレーニングに...

CKCとOKCにおいて知っておくべき基礎知識と臨床応用①~CKC・OKCとは~

こんにちは!  いきなりですが皆さん!「運動連鎖」という言葉をご存知ですか?理学療法士の皆さんはもちろんご存知と思いますが、作業療法士の皆さんは聞いたことがないという方、聞きなれない言葉に感じる方が多いのではないでしょうか。 それもそのはず、作業療法士の養成校では習わない学校がほとんどだからです。 この「運動連鎖」という言葉は運動療法を行う上で基礎となる概念の一つです。 しかし、病院で働く以上、運動療法は切っても切れないものですよね。 そこで、今回は主に作業療法士の方に向けて「運動連鎖」のお話をしていこうと考えています。 「運動連鎖」を臨床でよく使う分類として主に2つに分けられます。 CKC(Closed Kinetic Chain):末端である足部や手が外部抵抗(床やテーブル)と接している状態。 OKC(Open Kinetic Chain):末端である足部や手が自由な状態。 出典: 運動連鎖とエビデンス  理学療法士の皆さんが「CKC」や「OKC」と言っているのを聞いたことがあるかもしれませんね。作業療法士では、上肢の運動はほとんどOKCであるため、習うことが少ないと聞いたことがあります。しかし、上肢の運動でも「OKC」を用いた方が効果的な運動療法を行うことができるなどといった文献もあり、これら2つを使いこなすことができると臨床での診療の幅が広がると考えています。  もともとの概念はACL損傷者への負荷について用いられていたようです。しかし、時代とともに概念も変化をしていき、今ではごく当たり前のように用いられるようになっています。  「CKC」と「OKC」どちらが重要なのか。なんて話をする療法士の方もいますが、どちらもいいところがあり使いこなすことが重要です。ただ、実際私の診療ではロコモティブシンドローム等を併存している高齢者が多いために「CKC」を中心に運動療法を展開していることが多いです。  今回は概念部分のお話しが中心となってしまいましたが、次回はどのように臨床に応用していくかをお話ししていこうと思います。  では今日はこの辺で。