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血液検査の見方~まずは一般的な項目と役割から①~

こんにちは!

 今日は血液検査の見方についてお話ししようと思います。血液検査は病院だけでなく、老人保健施設などのような地域で働く方にとっても、対象者の方の全体像を把握する上で非常に重要な役割を担っています。1年目や2年目の方で苦手に感じている方は多いのではないでしょうか?そこで、今日はよく臨床で目にすることが多い血液検査の項目と基準値や役割についてお話ししたいと思います。

 まず血液検査を見る上で重要になるのが、血液検査はあくまでデータの一つであり、その結果だけで断定できるものではないということです。例えば「アルブミン値が低いから低栄養だよね。」と言っている方を見ることがあります。しかし、実際には栄養状態は良好だが、急性疾患によりアルブミン値が低下している、なんてこともよくあることなのです。このようにまずは血液検査と役割を把握することと、ほかの検査結果を加味した上で、断定ではなく想定したリハビリテーションの実施を行うことが大切になります。

<生化学検査>
TP(総蛋白)
 基準値:6.5~8.0g/dl
 高い場合:脱水症、多発性骨髄腫etc
 低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害、腹水・胸水の貯留etc
Alb(アルブミン)
 基準値:3.6~5.0g/dl
 低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害etc
A/G
 基準値:1.1~2.0
 低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害etc

AST(GOT)
 基準値:10~3305IU/l
 高い場合:肝臓障害、心臓障害etc
ALT(GPT)
 基準値:5~30IU/l
 高い場合:肝臓障害、心臓障害etc

LDH
 基準値:120~220IU/l
 高い場合:肝臓障害、心臓障害、腎臓障害、肺疾患、血液疾患、悪性腫瘍etc

ALP(アルカリフォスタファーゼ)
 基準値:100~350IU/l
 高い場合:肝臓障害、胆道疾患、慢性腎不全、骨疾患etc
γーGTP
 基準値:10~50IU/l
 高い場合:アルコール性肝障害、肝臓障害etc
Ch-E(コリンエステラーゼ)
 基準値:185=415IU/l
 高い場合:ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症etc

HbA1c
 基準値:4.3~5.6%
 高い場合:糖尿病、腎不全etc

BUN(尿素窒素)
 基準値:8~20mg/dl
 高い場合:腎臓障害、高蛋白摂取、脱水症状etc
 低い場合:低蛋白摂取、尿崩症etc
Cr(クレアチニン)
 基準値:男性;0.5~1.0mg/dl 女性;0.4~0.8mg/dl
 高い場合:腎臓障害、肝臓障害、心臓障害etc
Na(ナトリウム)
 基準値:138~146mEq/l
K(カリウム)
 基準値:3.5~4.5mEq/l
Cl(クロール)
 基準値:99~109mEq/l
Na、K、Clともに脱水状態や腎臓障害のマーカー

CRP
 基準値:0.3mg/dl以下
 高い場合:炎症、感染症etc

TG(中性脂肪トリグリセライド)
 基準値:30~149mg/dl
 高い場合:高脂血症、肥満、過食、糖尿病etc
T-C(総コレステロール)
 基準値:130~220mg/dl
 高い場合:高脂血症、肥満、脂肪肝、糖尿病etc
 低い場合:肝臓疾患、低栄養
HDL-C(善玉コレステロール)
 基準値:40~100mg/dl
 高い場合:高脂血症etc
 低い場合:喫煙、運動不足、慢性腎不全etc
LDL-C(悪玉コレステロール)
 基準値:70~140mg/dl
 高い場合:高脂血症、喫煙、肥満、運動不足etc

Fe(鉄)
 基準値:男性;50~180μg/dl 女性;40~170μg/dl
 高い場合:鉄欠乏性貧血、慢性炎症性疾患etc

尿酸
 基準値:男性;3.5~7.0mg/dl 女性;2.5~6.0mg/dl
 高い場合:痛風などといった高尿酸血症、慢性腎不全etc

 それぞれ基準値は検査機器や論文によって多少の誤差があるためあくまで参考程度にしていただければと思います。これだけではないのですが、臨床で頻繁に用いる検査はだいたい載せれたかなと思いますので入門編としては利用しやすいかと思います。
 今回は生化学検査のみで終わってしまったので、次回は血球化学検査のお話をしたいと思います。

では今日はこの辺で。

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