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2月, 2020の投稿を表示しています

血液検査の見方~各臓器別に分けて考える検査項目と役割~

こんにちは!  今日は前回お話したように、血液検査の見方についての内容の最後になります。今回は新人や2~3年目に向けて書いている内容になりますので、血液検査が難しい!」と感じていらっしゃる方の参考になればと思います。前回までの内容は 血液検査の見方~まずは一般的な項目と役割から①~ と 血液検査の見方~まずは一般的な項目と役割から②~ でお話ししていますので、お時間がある方は読んでいただければと思います。  ということで、今回は各臓器別に分けて考える検査項目と役割についてお話していきます。よろしくお願いします。第1回、第2回に述べていない内容も追加で入っていますので、ぜひ参考にしていただければ幸いです。 <心臓> BNP(脳性ナトリウム利尿ペプチド)  基準値:18.4pg/dl以下  高い場合:心不全(心不全判定基準:80pg/dl以上) NT-proBNP  基準値:125pg/dl  高い場合:心不全(心臓と腎臓の影響を受ける) Dダイマー  基準値:1.0μg/ml  高い場合:播種性血管内凝固症候群、急性深部静脈血栓症etc <肝臓> TP(総蛋白)  基準値:6.5~8.0g/dl  高い場合:脱水症、多発性骨髄腫etc  低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害、腹水・胸水の貯留etc Alb(アルブミン)  基準値:3.6~5.0g/dl  低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害etc TB(総ビリルビン)  基準値:0.2~1.2mg/dl  高い場合:黄疸 ⇒黄疸:ビリルビンが血液中に増加し、全身の皮膚や粘膜に過剰に沈着した状態。 AST(GOT)※アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼのこと。  基準値:10~3305IU/l  高い場合:肝臓障害、心臓障害etc ALT(GPT)※アラニンアミノトランスフェラーゼのこと。  基準値:5~30IU/l  高い場合:肝臓障害、心臓障害etc ⇒AST、ALTともに肝臓に高濃度に存在しているため、肝臓が傷害を受けると血中に放出されるため血清中の濃度が上昇する。 ALP(アルカリフォスタファーゼ)  基準値:100~350IU/l  高い場合:肝臓障害、胆道疾患、慢性腎不全、骨疾患etc γーGTP(γーグルタミントランス...

血液検査の見方~まずは一般的な項目と役割から②~

こんにちは!  今日は前回の続きということで「血液検査の見方~まずは一般的な項目と役割から②~」についてお話していきたいと思います。前回の内容は 血液検査の見方~まずは一般的な項目と役割から②~ をご参照していただければと思います。前回は主に生化学検査についてお話ししたので、今日は血液化学検査についての内容になります。少し短めの内容にはなりますが本日もどうぞよろしくお願い致します。 <血液学検査> WBC(白血球数)  基準値:3500~9000/μl  高い場合:急性感染症、肺炎、虫垂炎、扁桃炎、外傷etc RBC(赤血球数)  基準値:男性;430~570万/μl 女性;370~490万/μl Hb(ヘモグロビン、血色素値)  基準値:男性;14.0~18.0g/dl 女性;12.0~16.0g/dl HGB(ヘマトクリット)  基準値:男性;40~50% 女性;35~45% RBC、Hb、HGBともに高い場合は多血症、脱水症状等、低い場合はFeやビタミンB12、葉酸の欠乏、腎性貧血等のマーカーになります。 PLT(血小板数)  基準値:15~35万/μl  高い場合:炎症反応、多血症etc  低い場合:肝硬変、貧血etc フィブリノゲン  基準値:200~400mg/dl  高い場合:炎症反応  低い場合:播種性血管内凝固症候群 Dダイマー  基準値:1.0μg/ml  高い場合:播種性血管内凝固症候群、急性深部静脈血栓症etc  最後に記したDダイマーという検査項目は簡単に言うと血栓のできやすさに関するマーカーになります。深部静脈血栓症や肺血栓塞栓症にも関係するマーカーとなりますので、長期臥床の方を離床する時や、脳卒中の方を離床する時には、必ずチェックする必要があります。  今日は内容としては少ないのですが、きりがいいのでこの辺で終わりたいと思います。次回は血液検査の診方としては最後の内容になりますので、お時間がある方は是非見ていただけたらと思います。 では今日はこの辺で。

血液検査の見方~まずは一般的な項目と役割から①~

こんにちは!  今日は血液検査の見方についてお話ししようと思います。血液検査は病院だけでなく、老人保健施設などのような地域で働く方にとっても、対象者の方の全体像を把握する上で非常に重要な役割を担っています。1年目や2年目の方で苦手に感じている方は多いのではないでしょうか?そこで、今日はよく臨床で目にすることが多い血液検査の項目と基準値や役割についてお話ししたいと思います。  まず血液検査を見る上で重要になるのが、血液検査はあくまでデータの一つであり、その結果だけで断定できるものではないということです。例えば「アルブミン値が低いから低栄養だよね。」と言っている方を見ることがあります。しかし、実際には栄養状態は良好だが、急性疾患によりアルブミン値が低下している、なんてこともよくあることなのです。このようにまずは血液検査と役割を把握することと、ほかの検査結果を加味した上で、断定ではなく想定したリハビリテーションの実施を行うことが大切になります。 <生化学検査> TP(総蛋白)  基準値:6.5~8.0g/dl  高い場合:脱水症、多発性骨髄腫etc  低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害、腹水・胸水の貯留etc Alb(アルブミン)  基準値:3.6~5.0g/dl  低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害etc A/G  基準値:1.1~2.0  低い場合:低栄養、肝臓障害、腎臓障害etc AST(GOT)  基準値:10~3305IU/l  高い場合:肝臓障害、心臓障害etc ALT(GPT)  基準値:5~30IU/l  高い場合:肝臓障害、心臓障害etc LDH  基準値:120~220IU/l  高い場合:肝臓障害、心臓障害、腎臓障害、肺疾患、血液疾患、悪性腫瘍etc ALP(アルカリフォスタファーゼ)  基準値:100~350IU/l  高い場合:肝臓障害、胆道疾患、慢性腎不全、骨疾患etc γーGTP  基準値:10~50IU/l  高い場合:アルコール性肝障害、肝臓障害etc Ch-E(コリンエステラーゼ)  基準値:185=415IU/l  高い場合:ネフローゼ症候群、甲状腺機能亢進症etc HbA1c  基準値:4.3~5.6%  高い場合:糖尿病、腎不全etc BUN...