こんにちは!
7月も終盤にさしかかり暑さがきびしくなってきましたね。少し更新が遅くなってしまい申し訳ありません。少しずつではありますが更新していきたいと思います。
今日は高齢者における排尿問題について考えたいと思います。例えば入院されている対象者の中で布パンツで過ごされている方がどれだけいらっしゃるでしょうか。尿失禁されない方の中でもリハビリパンツを使用されている方って結構多いのではないかと思います。
「排泄行為」が日常生活においてどれだけ重要な役割を担っているかは考えるまでもないと思います。そこで皆さん、「オムツを着用してそこに排尿をしてください。」と言われた時に何の抵抗もなく行うことができますか。答えはNoだと思います。オムツを付けるという行為すらも抵抗感があるでしょう。医療機関や介護施設に従事していると、対象者の方のオムツやリハビリパンツ使用を当たり前と思ってしまう、いわゆる感覚が麻痺してしまう現象に陥りがちだと思っています。
僕の職場の元部長は排泄管理について新人であった僕にどうあるべきかを強く教えていただきました。例えば、「男性であれば立って行う習慣がある方が多いのだから、立って行えるように介入しなさい。」や、「服薬の問題だけでなく、生活習慣や生活リズムの問題にも目を向けなさい。」などといった内容であったことを強く覚えています。
入院されている対象者の方によっては、排尿の問題は恥ずかしくて言えないという方も多くいらっしゃると思います。そこで、対象者の思いを生活の中で感じることができるのか、その方自身が思い描く姿はどのようなものなのかを考えながら、アプローチを行う
ことが大切です。
ここで少し基本的なお話をします。
成人の1日の尿量:平均1000ml~1500ml
600ml/日以下が乏尿、40ml/kg/日以上が多尿
尿量が150ml~200mlになると尿意を感じ、約300ml~400mlまで蓄尿することができます。
次に各障害の大枠についてお話しします。
畜尿障害:膀胱排尿筋の過活動、膀胱出口の抵抗減弱、尿道閉鎮圧低下etc
→尿失禁や排尿困難となる
排出障害:膀胱排尿筋の収縮力低下、膀胱出口の抵抗増大etc
→排尿困難になる
水分摂取量の目安:1000ml~1500ml(飲料)
1000ml(食事)
ここで大切になるのが水分摂取量と排尿量の均衡が崩れていないかになります。
目安としては、飲料としての水分摂取量1000ml~1500mlと尿として排出される1000ml~1500mlになります。
ポイントとしては、
①水分はきちんと摂取できているか
➁排尿量は少なくないか(多くないか)
➂in-out(水分出納)のバランスが崩れていないか
が挙げられます。これらの評価に加えて、血液データや服薬状況を加味して、治療を行っていきます。作業療法士としての強みである、「その方の生活を支援する」という観点から、トイレの動作指導や、骨盤底筋体操の要素を含んだセルフエクササイズ指導、食事や水分摂取の内容を含んだ生活指導などできることはたくさんあります。
また、冒頭で話したようにその方の自尊心や自己肯定感を大切にしたケアと生活支援を考えることが大切だと考えています。自尊心や自己肯定感を大切にするためには、思いだけで関わるのではなく、専門職として正しい知識や支援技術を知っておくことも同じように大切なことだと思っているので、少し生理学のお話を入れながら話を展開させていただきました。
最後に余談になりますが、水分摂取の重要性について新人スタッフや実習生に話すようにしています。人間の身体の60%以上を占める水分は少しでもバランスを崩すと、身体に異常をきたすといわれています。そのため、必ず診療前後での水分補給を行うようにしています。水分摂取と排尿はきってもきれない関係ですので、きちんと水分を摂取することができているか気にしながら日々の診療に取り組むと良いでしょう。
排尿問題といっても幅が広く1記事では話しきれないため、自分の考えを交えながら総論の内容を入れることにしました。各論のお話はこれから少しずつお話ししていければと思っています。
では今日はこの辺で。
7月も終盤にさしかかり暑さがきびしくなってきましたね。少し更新が遅くなってしまい申し訳ありません。少しずつではありますが更新していきたいと思います。
今日は高齢者における排尿問題について考えたいと思います。例えば入院されている対象者の中で布パンツで過ごされている方がどれだけいらっしゃるでしょうか。尿失禁されない方の中でもリハビリパンツを使用されている方って結構多いのではないかと思います。
「排泄行為」が日常生活においてどれだけ重要な役割を担っているかは考えるまでもないと思います。そこで皆さん、「オムツを着用してそこに排尿をしてください。」と言われた時に何の抵抗もなく行うことができますか。答えはNoだと思います。オムツを付けるという行為すらも抵抗感があるでしょう。医療機関や介護施設に従事していると、対象者の方のオムツやリハビリパンツ使用を当たり前と思ってしまう、いわゆる感覚が麻痺してしまう現象に陥りがちだと思っています。
僕の職場の元部長は排泄管理について新人であった僕にどうあるべきかを強く教えていただきました。例えば、「男性であれば立って行う習慣がある方が多いのだから、立って行えるように介入しなさい。」や、「服薬の問題だけでなく、生活習慣や生活リズムの問題にも目を向けなさい。」などといった内容であったことを強く覚えています。
入院されている対象者の方によっては、排尿の問題は恥ずかしくて言えないという方も多くいらっしゃると思います。そこで、対象者の思いを生活の中で感じることができるのか、その方自身が思い描く姿はどのようなものなのかを考えながら、アプローチを行う
ことが大切です。
ここで少し基本的なお話をします。
| 出典:高齢者の排尿・排便障害 |
成人の1日の尿量:平均1000ml~1500ml
600ml/日以下が乏尿、40ml/kg/日以上が多尿
尿量が150ml~200mlになると尿意を感じ、約300ml~400mlまで蓄尿することができます。
次に各障害の大枠についてお話しします。
畜尿障害:膀胱排尿筋の過活動、膀胱出口の抵抗減弱、尿道閉鎮圧低下etc
→尿失禁や排尿困難となる
排出障害:膀胱排尿筋の収縮力低下、膀胱出口の抵抗増大etc
→排尿困難になる
水分摂取量の目安:1000ml~1500ml(飲料)
1000ml(食事)
ここで大切になるのが水分摂取量と排尿量の均衡が崩れていないかになります。
目安としては、飲料としての水分摂取量1000ml~1500mlと尿として排出される1000ml~1500mlになります。
ポイントとしては、
①水分はきちんと摂取できているか
➁排尿量は少なくないか(多くないか)
➂in-out(水分出納)のバランスが崩れていないか
が挙げられます。これらの評価に加えて、血液データや服薬状況を加味して、治療を行っていきます。作業療法士としての強みである、「その方の生活を支援する」という観点から、トイレの動作指導や、骨盤底筋体操の要素を含んだセルフエクササイズ指導、食事や水分摂取の内容を含んだ生活指導などできることはたくさんあります。
また、冒頭で話したようにその方の自尊心や自己肯定感を大切にしたケアと生活支援を考えることが大切だと考えています。自尊心や自己肯定感を大切にするためには、思いだけで関わるのではなく、専門職として正しい知識や支援技術を知っておくことも同じように大切なことだと思っているので、少し生理学のお話を入れながら話を展開させていただきました。
最後に余談になりますが、水分摂取の重要性について新人スタッフや実習生に話すようにしています。人間の身体の60%以上を占める水分は少しでもバランスを崩すと、身体に異常をきたすといわれています。そのため、必ず診療前後での水分補給を行うようにしています。水分摂取と排尿はきってもきれない関係ですので、きちんと水分を摂取することができているか気にしながら日々の診療に取り組むと良いでしょう。
排尿問題といっても幅が広く1記事では話しきれないため、自分の考えを交えながら総論の内容を入れることにしました。各論のお話はこれから少しずつお話ししていければと思っています。
では今日はこの辺で。
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