スキップしてメイン コンテンツに移動

関節可動域の基本の「き」①

こんにちは!

 今日は作業療法士・理学療法士の基本である「関節可動域」についてお話をしようと思います。
 関節可動域の評価は学生のときに1番最初に習う技術だと思います。療法士のみなさんは当たり前に身につけている技術だと思います。
 ただ、当たり前すぎて基本的なところをおろそかにしていませんか?
 新人の方や2年目の方は、なぜ制限が起きるのかや制限のメカニズムについて知らないことも多いかもしれません。
 なので本日は「関節可動域」について基本的なお話をしようと思います。

まず、関節可動域制限を引き起こす要因として、

①筋肉や腱の短縮
②関節包の短縮
③関節包内の異常運動
④皮膚の瘢痕化や癒着
⑤骨同士のぶつかり
⑥疼痛

などなど挙げればきりがないのですが、主に以上の6つが挙げられます。
これらのことを踏まえた上で、どこに問題があり改善すべきかを評価する必要があります。ただ、制限があるからといって闇雲に関節可動域練習を行っても改善にはつながらず、むしろ疼痛や拘縮を助長しかねません。

 ではどのようにして評価を行い判断を行うのかを簡単にお話しします。

 筋性拘縮の場合
 1.エンドフィール時に少し抵抗を加えるだけで可動域が拡大できる。
 2.エンドフィール時に筋肉にハリがある。
 3.筋肉のストレッチを行なった後に可動域に改善がみられる。

 関節性拘縮の場合
  1.エンドフィール時に筋性拘縮の評価時よりも強い抵抗を加えた際に可動域が拡大する(硬いゴムのような感覚です)。
  2.関節間を動かした(モビライゼーション)際に可動域に改善がみられる。

 皮膚性拘縮の場合
  1.皮膚を動かした際に他の場所の皮膚と比べて明らかな硬さがある。
  *手術後の方によくみられます。

 骨同士のぶつかりの場合
  1.どんな抵抗を加えても可動域に変化がない。
  2.エンドフィール時に硬い抵抗感でなにかぶつかるような感覚を感じる。

 以上簡単にですが、関節可動域制限の要因を評価するポイントをまとめました。
 この評価の際には検査者の感覚が重要になります。また、無理な動作や疼痛を伴わないような動作に気をつけながらの実施スキルが必要となります。被検査者の状態を観察しながらの実施を心掛けましょう。
 また、それぞれの拘縮によって行うアプローチは異なります。冒頭でもお話ししたように、きちんと評価をすることができなければ、可動域の改善にはつながりません。
 普段何気なく行なっている関節可動域測定も、以上を踏まえた上で行うことでまた違った解釈になるのではないかなと思います。

今回はもっといろんなお話をしたかったのですが関節可動域制限の要因についての内容だけになってしまいました。なので、次回は今回の続きということで拘縮のメカニズムと関節可動域練習の方法についてお話ししようと思います。

 では今日はこの辺で。

コメント

このブログの人気の投稿

作業療法士に必要なPreADLの捉え方とみる視点

こんにちは!  今日は主に病院で勤務されている作業療法士の方へ向けて、PreADLの捉え方とみる視点についてのお話をしようと思います。このお話は、理学療法士や言語聴覚士の方も大切な内容だと思っています。  僕たち作業療法士は患者様のやりたいことを大切にしながら日々の診療を行っていると思います。いわゆるdemandの面に着目するということですね。しかし、この視点だけでなく、患者様に本当に必要な能力、すなわちNeedにも焦点をおく必要があります。患者様によっては、むしろこのNeedを重要視する場合もあります。  このNeedに焦点をおくということは、患者様の現在の能力だけでなく入院前にどのような生活を送っていたのかを知ることがとても重要になります。この入院前の生活のことを僕の職場ではPreADLと呼んでいます。  例えば入院前はどのような歩行形態であったのか(T-caneなど)、入浴はどこで行っていたのか(デイサービスなのか自宅なのか)、食事は誰が作っていたのかなど、患者様がどのような生活を送っていたのかを詳細に調査する必要があります。    そして、そこで大切になってくることが入院前の生活を知るだけでなく、なぜそのような生活を送っていたのかを考えることが大切になります。  T-cane歩行の方では、なぜT-caneが必要であったのか、デイサービスにて入浴を行っている方では、なぜ自宅での入浴ではないのかなど、本来行えているはずの生活に補助具やサービスを用いている要因は何なのかを考えなければなりません。そして、入院前の生活状況と生活を妨げている要因を踏まえた上で、現在の状況から目標を設定することが大切になってきます。  作業療法士は患者様が必要としている生活行為を考えながら、その人らしい生活をサポートすることが大切です。しかし、その人がどのような生活を送ってきたのか、その人が満足いく生活であったのかといった面を考える視点をもつことで、より生活というものを包括的に捉えることができるようになると考えています。これまで、このような視点についてあまり考えたことがなかった方は、今日お話した視点をプラスすることで生活というものをより幅広く捉えることができるようになるのではないかと思っています。  今日はPreADLの捉え方とみる視点についてお話しました。...

CKCとOKCにおいて知っておくべき基礎知識と臨床応用➁~実践編~

こんにちは!  今日は前回の続きとして「運動連鎖」の考え方をどのように臨床に生かしたらいいかのお話をしたいと考えています。  前回お話しした運動連鎖の概念については、 CKCとOKCにおいて知っておくべき基礎知識と臨床応用①~CKC・OKCとは~ をご参照ください。  まずは簡単にCKCトレーニングとOKCトレーニングの種類についてご紹介します。 ・CKCトレーニング:スクワット、レッグプレス、ブリッジング、片脚立位保持、タンデム立位保持など ・OKCトレーニング:レッグエクステンション、ヒップアブダクション、SLRなど  前回もお話ししましたが、CKCトレーニングは主に下肢のトレーニングで用いられます。なぜなら、上肢の運動を必要とする食事や更衣などの生活行為の大半がOKCの動き方をするためです。しかし、上肢でもトレーニングの一つとしてCKCトレーニングを行うことは、非常に効果的であると考えています。例えば、前鋸筋や僧帽筋の安定性を高めるのに効果的なローローや広背筋の筋力を高めるために効果的なプッシュアップがあります。また、手掌を壁につけた状態で肩甲骨を挙上・下制・内転・外転するような運動では、ローテーターカフの負荷を抑えた状態で肩甲帯周囲の安定化を図ることができます。高齢者の方では、ローテーターカフに微細な損傷がある方や前鋸筋が弱っている方も多く、CKCトレーニングの方がよりリスクを抑えたトレーニングになると考えることもできますね。  これらのことから作業療法士としても知っておいて損ではない知識だと思います。そもそも損する知識などはないんですけどね笑。 次にCKCトレーニングとOKCトレーニングの各メリットについてご紹介します。 ○CKCトレーニングのメリット ①複合的な筋に対してトレーニングを行うことができる。 ➁筋力トレーニングだけではなく、一つの動作として運動を行うことができる(運動学習に汎化することができる)。 ○OKCトレーニングのメリット ①個別筋に対してアプローチしやすい。 ➁シンプルに筋力向上を効率よく高めることができる。  OKCトレーニングによって、個別筋として筋力を高めることができていても、実際の動作になると発揮することが難しい方も多く見受けられます。そのため、個別筋としてのトレーニングに...

CKCとOKCにおいて知っておくべき基礎知識と臨床応用①~CKC・OKCとは~

こんにちは!  いきなりですが皆さん!「運動連鎖」という言葉をご存知ですか?理学療法士の皆さんはもちろんご存知と思いますが、作業療法士の皆さんは聞いたことがないという方、聞きなれない言葉に感じる方が多いのではないでしょうか。 それもそのはず、作業療法士の養成校では習わない学校がほとんどだからです。 この「運動連鎖」という言葉は運動療法を行う上で基礎となる概念の一つです。 しかし、病院で働く以上、運動療法は切っても切れないものですよね。 そこで、今回は主に作業療法士の方に向けて「運動連鎖」のお話をしていこうと考えています。 「運動連鎖」を臨床でよく使う分類として主に2つに分けられます。 CKC(Closed Kinetic Chain):末端である足部や手が外部抵抗(床やテーブル)と接している状態。 OKC(Open Kinetic Chain):末端である足部や手が自由な状態。 出典: 運動連鎖とエビデンス  理学療法士の皆さんが「CKC」や「OKC」と言っているのを聞いたことがあるかもしれませんね。作業療法士では、上肢の運動はほとんどOKCであるため、習うことが少ないと聞いたことがあります。しかし、上肢の運動でも「OKC」を用いた方が効果的な運動療法を行うことができるなどといった文献もあり、これら2つを使いこなすことができると臨床での診療の幅が広がると考えています。  もともとの概念はACL損傷者への負荷について用いられていたようです。しかし、時代とともに概念も変化をしていき、今ではごく当たり前のように用いられるようになっています。  「CKC」と「OKC」どちらが重要なのか。なんて話をする療法士の方もいますが、どちらもいいところがあり使いこなすことが重要です。ただ、実際私の診療ではロコモティブシンドローム等を併存している高齢者が多いために「CKC」を中心に運動療法を展開していることが多いです。  今回は概念部分のお話しが中心となってしまいましたが、次回はどのように臨床に応用していくかをお話ししていこうと思います。  では今日はこの辺で。