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投稿

3月, 2020の投稿を表示しています

これからセラピストとして働く皆様に今伝えたいこと

こんにちは。  もうすぐ4月になりますね。今、世の中はCOVID19によるパンデミックにより非常に大変な状況におかれています。僕の職場でも今まで以上に感染症の対策を行い、対象者や利用者の方々が安心して利用できるように徹底しています。このネット社会、様々な情報に踊らされないように、正しい情報・必要な情報を、適切にピックアップすることが重要だと思っています。自分自身の身を守るために、そして自分以外の人に迷惑をかけないために、それぞれが意識をもって生活することが大切だと思います。  さて、今日は昨年もお話ししたテーマと似た内容になるかもしれませんが、この春から理学療法士・作業療法士・言語聴覚士になる方々へ、僕なりのメッセージを送りたいと思います。国家試験に合格した皆様、まずは合格おめでとうございます。そして、これからともに、リハビリテーション業界を盛り上げていきましょう。今年度は惜しくも不合格となってしまった皆様、この結果がすべてではありません。勝負は臨床に入ってから、です。この先、何年もあるわけですので、決して悲観せずに前を向き、また1歩ずつ歩みを進めていただければと思います。勝負は今だけでなく、10年後、20年後です。それぞれのスタートに向けて、1歩ずつ前進していきましょう。  まず、最初にこのリハビリテーション業界の未来についてのお話をしたいと思います。今年度学校を卒業される皆様はどのような将来が待っていると考えているでしょうか。情報に敏感な方は大方予想できていると思います。養成校が乱立している昨今、需要と供給のバランスが確実に崩れてきています。特に理学療法士の世界では、10年前と比べて求人の数が明らかに減少しているといえます。そのため、例えば10年後どのようになっているのかを仮定すると、もしかしたら平均賃金が減少しているかもしれません。もしくは、インセンティブな要素を組み込まれた給与体制や歩合制になっているかもしれません。確実にどうなるとは言えませんが、一つだけ言えるとすれば、生き残りをかけた戦いがもうすでに始まっているということです。  しかし、これからこの業界で働く皆様、絶対に悲観しないでください。なぜなら、これからは年功序列から実力主義の社会に変わっていく可能性が高いためです。例えば、10年目の先輩や20年目の先輩にも、実力をつければ勝つ...

立位アライメントを評価する上でのポイント②~Kendallの分類を基に考える~

こんにちは!  今日も前回から引き続き、立位アライメントを評価する上でのポイントについてお話ししたいと思います。前回の内容は、 立位アライメントを評価する上でのポイント①~正常な姿勢アライメントから考える~ を参考にしていただければと思います。どうぞよろしくお願いします。  前回は立位姿勢の正常アライメントと見る視点を中心にお話しさせていただきました。そこで、今回は立位姿勢のパターン分類で有名な、Kendallの分類を基に展開したいと考えています。 <Kendallの分類> 出典: 小学校高学年の立位姿勢とその特徴 Kendallの分類は主に5つの姿勢パターンに分けられます。そこで、それぞれ分類別の特徴について解説していきます。 A.標準型(ノーマル) 矢状面における重心線:耳垂-肩峰の前方-大転子-膝蓋骨後面-外果の3cm前方 B.彎曲増強型(カイホロードシス) 姿勢の特徴:頭部前方位(頸椎過伸展)・胸椎後彎の増強・腰椎前彎の増強・骨盤前傾・股関節屈曲・膝関節過伸展 過緊張の筋:斜角筋、肩甲挙筋、前鋸筋、胸筋群、僧帽筋上部繊維、腸腰筋、大腿四頭筋 弱化している筋:脊柱起立筋群(胸腰部)、外腹斜筋、殿筋群、僧帽筋中部繊維 C.脊椎平坦型(フラットバック) 姿勢の特徴:頭部前方位・上部胸椎後彎・下部胸椎平坦・腰椎平坦・骨盤軽度後傾・股関節過伸展・膝関節過伸展 過緊張の筋:腹直筋、腹横筋、内外腹斜筋、ハムストリングス 弱化している筋:脊柱起立筋、腸骨筋 D.スウェイバック 姿勢の特徴:頭部前方位・胸椎後彎・骨盤後傾・股関節過伸展・膝関節過伸展 過緊張の筋:内腹斜筋、大腿筋膜張筋、ハムストリングス 弱化している筋:外腹斜筋、脊柱起立筋群、大殿筋、大腿四頭筋 E.腰椎過前彎型(ロードシス) 姿勢の特徴:頸椎過伸展・胸椎後彎・腰椎前彎の増強・骨盤前傾・膝関節過伸展 過緊張の筋:脊柱起立筋群(胸腰部)、腸腰筋、大腿四頭筋 弱化している筋:腹直筋、内外腹斜筋、脊柱起立筋群(腰仙部)、大殿筋  これらはあくまで参考程度にしかならないかとは思いますが、姿勢分析に苦手さがある方は、まずはこの分類に当てはめてみると良いかと思います。そして、筋活動にどのような変化がみられて...

立位アライメントを評価する上でのポイント①~正常な姿勢アライメントから考える~

こんにちは!  今日は立位アライメントを評価する上でのポイントについてお話したいと思います。整形疾患の方でも、中枢神経系の疾患の方でもこういった立位アライメントの評価に関しては共通する部分が多いと思います。評価をする上で大切なこととして、まずは正常な姿勢アライメントを理解することが重要です。セラピストとして、正常なアライメントからどこの部分にずれが生じているのかを把握し、基礎疾患や生活パターン等から調整する部分をピックアップすること、その後治療を行っていくといったことが必要になります。今回のお話は2回に分けようと思いますので、お時間のある方はお付き合いよろしくお願いします。 <立位姿勢における評価のポイント> 出典: 姿勢の評価と治療アプローチ 【前額面(前方)】 ①頭部:側屈/回旋の非対称性 ②鎖骨:挙上/回旋の左右差 ⇒鎖骨は肩関節運動と連動して働くため、肩甲骨との位置関係を評価することも大切になります。 ③肩峰:挙上/下制の左右差 ④肩甲骨:挙上/下制・前後傾の程度 ⑤胸郭:挙上/回旋の左右差 ⑥上肢:肩関節内外旋/内外転/屈伸の程度 ⑦骨盤:回旋/傾斜の左右差 ⇒骨盤前後傾中間位:ASISよりPSISが2~3横指上方 ⇒Jacoby line:L4~L5の腰椎棘突起の間 ⑧股関節:骨盤に対する内外旋/内外転/屈伸の程度 ⑨膝関節:大腿・下腿のねじれ、屈伸の程度 ⑩下腿:足部に対する下腿の内外旋の程度 ⑪足関節・足部:踵骨接地の位置、内外果の高さ 【前額面(後方)】 ①肩甲骨:挙上下制、内外転、内外旋の程度 ⇒肩甲骨のランドマーク:上角;Th1~2 肩甲棘;Th7~8 内側縁~棘突起の距離; 7~8cm ②脊柱:屈曲/伸展、回旋、側屈の程度 ⇒上部胸椎:回旋優位 下部胸椎:屈伸優位 ③臀部:筋緊張(過緊張or低緊張)の程度 【矢状面】 重心線:耳垂ー肩峰の前方ー大腿骨大転子ー膝蓋骨後面ー外果の2~3cm前方 ①頭部:屈曲/伸展の程度 ②頸椎:胸椎に対する頸椎の屈曲/伸展の程度 ⇒頭部の位置が重心線の中でどこに位置するかが重要です。 ③肩関節:肩甲骨に対する上腕骨の内外旋の程度 ④胸腰椎:下部胸椎・腰椎の屈曲/伸展の程度 ⑤胸郭:挙上/回旋の左右差・程度 ⑥上肢:肩関節...