こんにちは! 今日は子どもの発達過程において、言語の視点からお話させていただきたいと思います。言語といえば、言語聴覚士が専門分野なのですが、作業療法士としても知っておく必要があると思います。作業療法士は、日常生活の中でも他者との交流やコミュニケーション面にもアプローチをしていくため、その中で言語聴覚士とディスカッションできる程度の知識・技術は必要かと考えています。そこで、今回は言語の視点からお話していきたいと思っています。本日もどうぞよろしくお願い致します。 前回までの内容である①運動に関しては、 リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(背臥位)~ リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(腹臥位)~ リハビリテーション専門職には是非知っていただきたい子どもの発達過程について~①運動(座位・立位)~ の記事をご覧ください。 まずは最初にひとはどのようにして言語機能を使っているのかをお話したいと思います。 <言語機能を使うために必要な力> 1.受容:視覚・聴覚情報を受け取り理解する力 2.連合:受け取った情報をこれまでの知識・経験と意味を成すよう関連付け・操作する力 3.表出:受容した情報・自身の考えを言葉・動作で表現する力 4.構成:文章を作りまとめる・活用する力 5.記憶:聴覚・視覚情報を正しく受け取り使用する力 大まかに分けて上記5つの力を使いながら言語機能を働かせています。そのため、この5つの機能の中でどこが欠けてもうまく働くことはできません。私たちは、日々診療の中で「どの部分が得意でどの部分が苦手なのか」を評価し、その子に合わせてアプローチを行っていきます。 次に生まれてから12カ月までの言語の発達過程をお話していきます。 <言語の発達過程> ~2カ月 【親子の情動的関わりの始まり】 段階:聞き手効果段階(大人が反応を読み取り応えることでやりとりが成立する)。 周囲の環境に適応する準備期。 表現方法は、社会的微笑が主。人に伝える意思は少ない。 声の方を向くようになる。 特徴:探索、捕捉、吸啜、咬、嚥下といった原始反射がみられる。 声は意識的に出すことが難しく、時々音が鳴る程度。 音が聞こえると泣く・顔を注視する。 ~4か月 【...
ステップアップリハ研究所主宰、作業療法士。臨床における知識や技術、子育てや健康に関する情報を中心に発信します。